1,Public Image Limited:First Issue(1978)

ジョン・ライドン、彼の名を知っている人も多いだろう。特に初期のパンク・ロックに精通してる方はジョニー・ロットンの名の方が馴染み深いかもしれない。
今回のタイトルであるPublic Image limited First Issueとは私が高校生の時に初めて買ったアルバムである。そもそもこのアルバムを買うきっかけは高校入学時にセックス・ピストルズにドはまりし、無事パンクロッカーとなり剣道部をわずか3ヶ月程でやめ、バンドを始めたことなのだが、その話はまたの機会にしよう。
なにはともあれ、セックス・ピストルズである。一曲目からグーパンチを食らった気分になったそのアルバム、ネバーマインドザボロックスはパンク・ロックのお手本のような一枚で、特にVo.ジョニー・ロットンの終始調子っぱずれであるのに音楽の楽しさを体現したような歌い方は1977年の鬱屈したイギリスの若者の暴発を招くには充分過ぎたに違いないと思う。
そんなジョニーがピストルズにうんざりして始めたのがこのPublic Image limitedである。ピストルズの頃とはうってかわってなかなかに芸術性を全面に押し出したアルバムであると思うのだがこのバンド(といってもジョンライドンしかこのアルバムのメンバー残ってねぇけど)が後にスティーブヴァイなどの有名アーティストと共演していくことになることを考えると納得というかなるほどね~という感じである。
私がこのアルバムで面白いと感じたのはアルバムの構成とGt.キースレヴィンの天才的ギターとBa.ジャー・ウォーブルの這うようなベースプレイである。さんざんジョンの話をしたが歌詞のメッセージ性はピストルズよりも知的になったなぁという感じで歌唱に関してはピストルズを聴き込んでいれば「あれ、ちょっとうまくなったじゃん」ぐらいにしか感じない。とにかく構成とギター、ベースを聴いて欲しい。キース・レヴィンはその高音弦を使用した独特のプレイでU2のジ・エッジ等のフォロワーを産み出したギタリストで、極めて初期のザ・クラッシュに所属していたこともある。ジャー・ウォーブルはこれまた素晴らしいベーシストで不思議なグルーヴを感じさせるプレイを聴かせてくれる。私はウォーブルのソロアルバムも聴いたがなかなかダブダブしい曲揃いで「ああ、麻薬やるとこうなるんか~」といった気分させてくれる。これを読んで興味が出た方は是非とも大音量で今回のアルバムをかけて欲しい。
アルバム内オススメの一曲:Annalisa